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初心者向け:印刷発注前に絶対確認すべき10のポイント

山田 太郎(印刷コンサルタント)
初心者向け:印刷発注前に絶対確認すべき10のポイント

はじめに

印刷物の発注は、多くの選択肢と専門用語が飛び交うため、初めての方にとっては複雑に感じるかもしれません。しかし、いくつかの重要なポイントを押さえておくだけで、理想通りの仕上がりを実現し、余計なコストや時間のロスを防ぐことができます。

この記事では、印刷発注前に確認すべき10の重要なポイントを、実例を交えながら解説します。

1. 印刷の目的と配布対象を明確にする

印刷物の目的(情報提供、販促、ブランディングなど)と、誰に届けるかを明確にしましょう。これにより、適切な用紙や印刷方法、サイズなどの選択がしやすくなります。

チェックポイント:

  • 印刷物の主な目的は何か?
  • ターゲットとなる読者層は誰か?
  • どのような環境で読まれることを想定しているか?

2. 適切な用紙を選ぶ

用紙の種類によって、印刷物の印象や耐久性、コストが大きく変わります。目的に合った用紙選びが重要です。

主な用紙の種類:

  • コート紙:光沢があり、写真やカラー印刷に適しています
  • マットコート紙:光沢を抑えた上質な印象を与えます
  • 上質紙:文字の読みやすさを重視する資料に適しています
  • 再生紙:環境に配慮した印象を与えたい場合に選びます

3. 印刷方式を理解する

オフセット印刷、オンデマンド印刷、活版印刷など、印刷方式によって仕上がりや適した用途が異なります。

印刷方式の特徴:

  • オフセット印刷:大量印刷に向いており、色の再現性が高い
  • オンデマンド印刷:少部数印刷に適しており、短納期で対応可能
  • 活版印刷:凹凸のある高級感のある仕上がりが特徴

4. 色指定を正確に行う

色の指定方法(CMYK、特色、RGB)を理解し、意図した色が再現されるよう正確に指定しましょう。

色指定のポイント:

  • 印刷用データはCMYKで作成する
  • 特色を使用する場合は、DICやPANTONEなどの色見本で指定する
  • モニター上の色と印刷物の色は異なることを理解しておく

5. 適切な解像度とデータ形式を確認する

印刷用の画像は最低でも300dpi以上の解像度が必要です。また、適切なファイル形式(PDF、AI、EPSなど)で入稿しましょう。

6. 仕上がりサイズと断裁を考慮する

塗り足し(ブリード)や仕上がりサイズ、断裁位置を正確に設定することで、意図しない白枠や切れを防ぎます。

7. 製本方法を選ぶ

無線綴じ、中綴じ、平綴じなど、ページ数や用途に合わせた製本方法を選びましょう。

8. 特殊加工の検討

箔押し、エンボス加工、UV加工など、印刷物に付加価値を与える特殊加工の可能性を検討しましょう。

9. 校正のチェックポイント

色校正や内容校正のポイントを押さえ、印刷前に徹底的にチェックすることで、印刷後のトラブルを防ぎます。

10. 納期と予算の確認

印刷から納品までのスケジュールと、予算の範囲内で最適な選択肢を検討しましょう。

まとめ

印刷発注は多くの選択肢と決断が必要ですが、これらのポイントを押さえておくことで、満足のいく印刷物を実現できます。不明点があれば、印刷会社に相談することも大切です。プロの視点からのアドバイスが、より良い印刷物につながります。

この記事を書いた人
山田 太郎

山田 太郎

印刷コンサルタント

印刷業界で15年以上の経験を持つコンサルタント。中小企業の販促支援から大手企業のブランディング戦略まで、幅広い印刷プロジェクトに携わる。

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